
2025/04/23
コラム
ITコラム ー 業務アプリケーション・IT投資を成功させるための基本ステップ ステップ5
業務アプリケーションIT投資を成功させるための基本ステップ
―業務アプリケーションの取り組み体制と投資プロセスに鍵がある―
IT投資を成功させる取り組みを5つのステップでご紹介させて頂く全6回のITコラム。
日々「IT投資管理」「業務プロセス標準化」「業務アプリの断捨離」などを意識する方だけでなく、技術職や営業職に関わる方にも幅広く知識の一つして頂ければ幸いです。
早いもので第6回目、最後のステップ5のコラムをお届けしたいと思います。
コラム著者紹介
菅宮徳也

大手電気メーカでIT関連の経験を積み2024年7月よりベストスキップ株式会社にてシニアITコンサルタントとして従事。
✓ 東南アジア向けメインフレーム営業・事業企画
✓ 金融機関向けITシステム活用研究・コンサルティング
✓ 金融機関向けシステムインテグレーション事業企画
✓ 米国ITシェアードサービス拠点設立・運営
✓ グループIT・セキュリティガバナンス
✓ グループ標準アプリ開発・運用
✓ 鉄道車両・信号システム事業部門(本社は欧州)の国内CIO
ステップ5:ステークホルダーを味方につけ運用する(継続的な運用と改善サイクルを回す)
(ア) ステップ4までのアクションを実行してCIOは以下に示す状況を達成できます。これはCIOにとっても経営者にとっても非常に望ましい状況です。
① 会社方針からIT投資すべき重点エリアが明確で、リソース・投資枠、優先順位を考慮したIT投資案件を策定されている
② プロセスオーナ(PO)が効果刈り取り責任を負い、プロジェクト完了後効果がモニタリングされている
③ POは投資効果を明確にコミットしている。想定より投資効果が得られない場合は挽回策が打たれている
④ 納得感のあるIT投資厳選リストを効率的に作成し、リスト化された案件は着実にスケジュール通り実行されている
⑤ IT組織とPOとのコミュニケーションは密にとられており、IT組織は各部門のPain Pointを理解したうえで、課題解決のための最適なソリューションを提案(言われたことをそのままやるだけでなく)できている
⑥ POからIT組織への期待がIT組織内で理解できており、プロジェクト開始前にはIT組織での事前準備、調査が十分できている(ノウハウ不足からの、ベンダーへの過度な依存は排除できている。)
⑦ システムを一つ産んだら、複数のシステムが廃止されている(投資とペアで退役)
⑧ 非差別化領域は仔細に拘らず、標準に合わせることが徹底されている。カスタマイズはプロセスオーナの判断により最小限化されている。
⑨ 非差別化領域は標準的なパッケージが採用されており、過度なベンダーへの依存は排除されている
(イ) 最後に、このIT投資管理体制とプロセスを定着していくためにCIOが経営幹部と直接コミュニケーションをとり恒常的にIT投資計画と事業戦略のアラインメントをとり続けることがポイントになります。
① プロセスオーナとの日常的なコミュニケーションを行いIT投資計画に関する深い理解と支援を得る、
② 世の中のITの勉強と提案型IT部門への脱皮をCIOがリードする。「稼働させてナンボ」ではなく「稼働後投資効果を刈り取ってナンボ」の精神をITが持つ。
③ CIOが経営幹部と直接コミュニケーションをとり恒常的にIT投資計画と事業戦略のアラインメントをとり続ける。
ここまでの5つのステップを実行することで、経営幹部をCIOの味方につけることが期待できるはずです。
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