
2025/04/02
コラム
ITコラム ー 業務アプリケーション・IT投資を成功させるための基本ステップ ステップ2
業務アプリケーションIT投資を成功させるための基本ステップ
―業務アプリケーションの取り組み体制と投資プロセスに鍵がある―
IT投資を成功させる取り組みを5つのステップでご紹介させて頂く全6回のITコラム。
日々「IT投資管理」「業務プロセス標準化」「業務アプリの断捨離」などを意識する方だけでなく、技術職や営業職に関わる方にも幅広く知識の一つして頂ければ幸いです。
本日はその3回目、今回はステップ2を解説したいと思います。
コラム著者紹介
菅宮徳也

大手電気メーカでIT関連の経験を積み2024年7月よりベストスキップ株式会社にてシニアITコンサルタントとして従事。
✓ 東南アジア向けメインフレーム営業・事業企画
✓ 金融機関向けITシステム活用研究・コンサルティング
✓ 金融機関向けシステムインテグレーション事業企画
✓ 米国ITシェアードサービス拠点設立・運営
✓ グループIT・セキュリティガバナンス
✓ グループ標準アプリ開発・運用
✓ 鉄道車両・信号システム事業部門(本社は欧州)の国内CIO
ステップ2:改善が必要な部分を特定し目標を作る(目標を定める)
(ア) システム台帳上のデータをもとにして現行アプリの業務別(縦軸)・地域別(横軸)AS-ISシステムマップを作ります。
① 業務別の例としては、製造業でしたら経営分析、受注予算、受注管理、設計、購買、生産、在庫管理、製造、出荷、品質管理、財務管理、管理会計、人事などの粒度で表現すれば多すぎず少なすぎず適切です。
② 地域別としては、工場、営業所といった感じです。地域をまたがって共通的に使われているシステムもあれば、特定の工場のみで使われているシステムもあり得ますが、これらを可視化できてきます。
(イ) 現行アプリの業務別・地域別AS-ISシステムマップ(前ページ)をTO BEシステムマップに更新します。
① AS-ISシステムマップに対して事業戦略上投資して整備し直す部分を明示します。(=投資優先順位が高い部分)
② 事業戦略を持ち出すまで優先順位は高くないけれどリプレースするシステムやバージョンを上げる必要の出てくるシステムも明確化します。
③ 次いでAS-ISシステムマップ上で退役させるシステムを明らかにします。ちなみに、開発計画はたくさん作っても退役計画は見当たらないケースも目にします。本来は開発する一方で何をいつ退役させるのかは常時並行して考えておく必要があります。
④ 退役は以下の二種類があると思われます。
・廃棄:稼働後経過年数が経過しメンテが困難、ユーザ数が少ない、トランザクション量が少ないなどのケースで業務アプリを稼働停止し廃棄する
・統合:複数の事業所で同様の機能でありながら、異なるアプリを利用しているケースで、一つのアプリに片寄せしていく。
⑤ 退役計画を具体的に作成するためにいきなりシステムマップに向き合うのではなく、まずシステム台帳上のデータをもとにして現行アプリの稼働後年数を可視化するとわかりやすいです。筆者の経験では稼働後20年を超える大変古いシステムをダマシダマシ使い続けている例があります。
⑥ また、個々のシステムを横軸(=稼働年数)と縦軸(=TO BEアーキテクチャへの整合度)の四象限にプロットすることで、作戦を練りやすくしたり社内で議論しやすくしたりできます。稼働年数がかさみ、戦略性の薄い象限にプロットされたシステムは、退役候補になってきます。
⑦ ①で記載した事業戦略上投資して整備しなおす部分を見積ります。
(ウ) ここまでの説明でお分かりになった方がたくさんいらっしゃると思いますが、シンプルに言えばこの上記AS-ISとTO-BE二つのマップの差分を埋めることがIT投資であり、そのタイムラインがIT投資ロードマップとなります。
① 今後数年間のIT支出計画を作成し各年度の投資上限を特定します。
② あまりにも投資上限が低く必要な投資が困難なケースでは投資上限の引き上げも必要な場合もありえますし、逆に投資額上限に合わせて投資計画の優先順位の見直しをするケースもあり得ます。
次回ステップ3に続きます。